労災の休業が長引くとき|元請が事実確認と相談を進める順番(不正受給が疑われる場合を含む)

建設現場では、軽い転倒やねんざのような災害でも、休業が数週間、数か月と続くことがあります。ここで、次のような場合を想定してみます。
もし、被災した本人がすでに痛みがなく、完治しているにもかかわらず、そのことを隠して通院と休業を続けたとしたら、元請はどうなるのでしょうか。
実際にこうした場合が起こり得るかどうかは別として、元請の立場からは、「納得しにくい」「保険料や現場の評価への影響が心配だ」と感じる人もいると思います。ただ、元請が「もう治っているはずだ」と判断して、労災の手続きを止めたり、本人に圧力をかけたりすることはできません。やり方を誤ると、元請自身が責任を問われる場合もあります。この記事では、もしこうした場合が起こったとき、元請が制度の範囲でできること、してはいけないことを、公的資料から整理します。
筆者(KENTA)は準大手ゼネコンで施工管理をしている元請側の立場です。筆者自身は、このような災害に対応した経験はありません。起こり得る場面を想定して、制度を調べて整理した内容で、体験談ではありません。個別の事案が不正受給にあたるか、元請の対応が適法かどうかの判断はしません。実際の事案は、会社の安全衛生・労務の担当部署、労働基準監督署、弁護士・社会保険労務士などの専門家に確認してください。
結論:先に5つのことを分けて見る
- 休業が必要かどうか、傷病が治ったか(治ゆ)の判断は、医師の所見をふまえて、労働基準監督署長が行う。 元請や会社が決めることはできない
- 完治・就労可能であるのに、それを隠して休業補償を受け続ける場合は、不正受給にあたる。 費用の徴収や刑事告訴の例がある。本人の責任の問題
- 元請ができるのは、「疑い」を事実で整理して、制度の窓口に伝えること。 事実の記録、下請事業者を通じた連絡、事業主の意見申出、労働基準監督署への相談
- してはいけない対応がある。 労災かくし、給付の妨害、解雇などの圧力、私生活の調査、決めつけた非難、虚偽の報告・証明
- 元請の負担(保険料への影響など)は実際にあるが、対応は制度の範囲で行う。 「使わせない」という方法は選べない
まず「理不尽」と感じる場面を分ける
休業が長引いているとき、外から見える状況は同じでも、中身は違うことがあります。
| 場面 | 状況 | 元請の立場 |
|---|---|---|
| ① | 本人に症状があり、医師が療養・休業が必要と判断している | 制度どおりの給付。長引いても、元請が打ち切ることはできない |
| ② | 外から見ると軽症に見えるが、医師が就労不可と判断している | 医学的な判断。元請は、事実の確認と復職の相談まで |
| ③ | 完治・就労可能であるのに、それを隠して通院・休業を続けている | 不正受給のおそれ。ただし、事実の確認が前提 |
外から見て、①②③を区別するのは難しいと考えておく必要があります。痛みは本人の感覚で、元気に見えることと、就労できることは別です。「元気そうに見えるから、治っているはずだ」という判断は、事実の確認の前の、思い込みになりやすい点に注意してください。
制度の基本:休業補償と「治ゆ」
休業補償給付が支給される条件
厚生労働省は、休業(補償)給付が、次の3つの要件を満たす限り、休業第4日目から支給されるとしています。
- 業務上の事由または通勤による負傷や疾病による療養のため
- 労働することができないため
- 賃金を受けていない
(労災保険法第14条、厚生労働省「労災保険に関するQ&A」)
請求は、「休業補償給付支給請求書」で行います。この請求書には、医師が作成する「診療担当者の証明」の欄があります(秋田労働基準監督署の発表資料で確認)。療養のために労働できなかったことは、医師の証明をふまえた手続きで判断される仕組みです。
「治ゆ(症状固定)」とは
療養(補償)給付は、傷病が「治ゆ」するまで行われます。厚生労働省のQ&Aによると、労災保険の「治ゆ」とは、身体が健康時の状態に完全に回復した状態だけを指すのではありません。 傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態(症状固定)をいいます。症状が残っていても、医療効果が期待できないと判断されれば、「治ゆ」として療養給付は支給されません。
治ゆの時期の認定は、所轄の労働基準監督署長が行い、担当医師の臨床所見をふまえて決定するのが通例とされています。労災診療を担当する医師向けの資料(宮城労働局掲載)には、次の趣旨の記載があります。
- 治ゆの時期を、患者が就労できない旨を申し出たために引き延ばしたり、患者が自覚症状を訴えていることだけで、漫然と診療を続けたりすることは認められない
- 治ゆの時期の判断は、公正に行い、傷病労働者の一方的な申し出に左右されないようにする
つまり、制度は、本人の申し出だけで休業が続く仕組みではありません。 医師の所見と、労働基準監督署の判断が前提です。
労働基準監督署ができること
労災保険法には、次のような規定があります。
- 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、給付を受け、または受けようとする者に対し、行政庁が指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる(第47条の2)
- 正当な理由なく命令に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる(第47条の3)
これらは、行政庁(労働基準監督署など)の権限です。元請の権限ではありません。
完治を隠している場合は「不正受給」
法律上の整理
労災保険法第12条の3は、偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者がいるとき、政府は、その保険給付に要した費用の全部または一部を、その者から徴収できると定めています。
さらに、同条は、事業主が虚偽の報告または証明をしたために保険給付が行われたときは、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して、徴収金の納付を命じることができると定めています。建設工事が数次の請負で行われる場合、労災保険の事業主は元請とされます(労働保険徴収法第8条)。
この規定が示す点は2つあります。
- 不正受給の責任は、第一に、不正をした本人にある
- 一方で、事業主(元請)が、事実と異なる報告や証明をすると、責任を負う場合がある
公表されている事例(労働基準監督署の刑事告訴)
労働基準監督署が、労災保険給付の不正請求を刑事告訴した事例が公表されています。
| 事例 | 内容 |
|---|---|
| 長崎労働基準監督署(令和5年9月29日告訴、令和6年1月16日発表) | 就労して賃金を受領していたにもかかわらず、業務上の疾病による療養のため労働できず賃金を受けていない、とする虚偽の請求書を提出。休業補償給付金と休業特別支給金、合計7,072,434円(平成29年6月12日から令和3年11月30日までの1,494日分)。詐欺罪での刑事告訴 |
| 秋田労働基準監督署(令和6年12月12日告訴) | 休業補償給付支給請求書の「診療担当者の証明」欄を、より多くの休業を必要としたかのように改ざんして提出。有印公文書変造・同行使、詐欺未遂の罪での告訴 |
注意点: これらは、いずれも労働者本人による不正の事例で、事業主の連帯責任が問われた事例ではありません。また、「完治しているのに、それを隠して通院を続けた」事例そのものは、今回確認できませんでした。 上の2件は、不正受給が実際に刑事責任の対象になっていることを示す例として、紹介しています。
元請ができること
「疑い」を感じたときに、元請が制度の範囲でできることを、順番に整理します。
1. 事実を記録する
感情や推測を書くのではなく、事実だけを、日付とともに残します。
- 災害の発生日時、場所、作業内容、発生状況
- 死傷病報告に記載した内容(休業見込み期間など)
- 本人・下請事業者との連絡の日時と内容
- 復職や軽易な作業の相談をした日時と、本人の回答
2. 下請事業者(使用者)を通じて連絡する
被災したのが下請の労働者の場合、労働者の使用者は下請事業者です。休業の見込み、復職の意向、軽易な業務の可否などは、まず、下請事業者を通じて確認します。元請が本人に直接、強い働きかけをすることは避けます。
3. 就労の可否は、医師の意見を、本人の同意のもとで確認する
病歴などは、個人情報保護法でいう「要配慮個人情報」です。個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはいけません(第2条第3項、第20条第2項)。診療の内容や通院の状況は、原則として、本人の同意なく、医療機関などから取得することはできません(法令に基づく場合などの例外はあります)。 就労の可否について、主治医の意見を確認したい場合は、本人の同意を得たうえで、下請事業者や本人を通じて行います。
4. 部分的な就労や、軽易な業務への復帰を相談する
医師が認める範囲で、軽易な作業や、時間を短縮した就労が可能かを、本人・下請事業者と相談できます。労災保険法第14条には、療養のため所定労働時間のうち一部のみ労働する日について、給付基礎日額から賃金額を控除した額の60%を休業補償給付とする、という規定があります。就労を強制することはできません。 本人の同意と、医師の意見が前提です。
5. 事業主の意見申出(労災保険法施行規則第23条の2)
事業主は、自社の事業に係る業務災害に関する保険給付の請求について、所轄の労働基準監督署長に、意見を申し出ることができます。書面で、次の事項を提出します。
- 労働保険番号
- 事業主の氏名または名称、住所または所在地
- 被災した労働者の氏名、生年月日
- 負傷・発病または死亡の年月日
- 事業主の意見
ここに書くのは、事業主が把握している客観的な事実です。たとえば、災害の発生状況、休業・復職の相談の経過などです。「完治しているはずだ」という推測ではなく、確認できた事実を書きます。
6. 労働基準監督署に相談する
労働基準監督署は、労働者からの相談だけでなく、企業からの相談も受け付けていると、厚生労働省は案内しています。不正が疑われる具体的な事実がある場合は、労働基準監督署に相談し、事実を伝えることができます。判断(調査、診断の命令、給付の差止め等)は、行政庁が行います。
7. 事業主の報告・証明は、事実のとおりに行う
死傷病報告や、請求書に関する事業主の証明は、事実のとおりに行います。事実と異なる報告や証明は、不正受給の連帯責任(労災保険法第12条の3)の対象になり得ます。
してはいけない対応
| 対応 | 理由 |
|---|---|
| 労災かくし(労災を使わせない、健康保険で処理させる、死傷病報告を出さない、虚偽の報告をする) | 労働災害に健康保険は使えない(厚生労働省)。報告をしない・虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金(労働安全衛生法第120条)。元請が共謀して立件された例がある(下の節) |
| 「本人が悪い」「不正の疑いがある」ことを理由に、申請を妨げる | 請求は本人の権利。給付の可否は労働基準監督署が判断する |
| 解雇・契約打切りなどの圧力 | 業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間と、その後30日間は、解雇が制限される(労働基準法第19条)。下請事業者に圧力をかけて、本人に不利益を与える行為にならないよう注意 |
| 私生活の調査・監視 | 労働者のプライバシーに関わる。不正の疑いの調査は、行政(労働基準監督署)に委ねる(筆者の整理) |
| 本人への決めつけ・非難、周囲への言いふらし | 事実が確認される前の非難は、紛争を深めるおそれがある |
| 事実と異なる報告・証明 | 不正受給の連帯責任(労災保険法第12条の3)の対象になり得る |
労災かくしの動機と、元請の関与の事例
労災かくしは、建設業に多いとされています(神奈川労働局の取りまとめ、2007年)。同資料は、動機として、次のようなものを挙げています。
- 労働災害の発生による職務評価への悪影響を避けたい(元請の管理責任や職務評価を問われることを避け、無災害記録の更新にこだわるため、元請と共謀して下請の労働災害を隠す例もある)
- 元請や取引先に迷惑をかけたくない(建設現場の災害は、元請の労災保険で下請労働者の補償手続きも行うため)
- 元請や取引先からの受注停止を避けたい
- 行政、元請、上司などからの指導を避けたい
同資料には、高所からの墜落について、元請や一次下請と共謀して、「資材の積卸作業中に車両の荷台から墜落した」と虚偽の死傷病報告を提出し、共謀により元請等も立件された例が載っています。負担を避けようとして隠すと、元請自身が立件されることがある、ということです。
保険料(メリット制)との関係
元請が、労災が増えることを気にする背景には、保険料への影響があります。
- 労災保険には、事業の労働災害の多寡に応じて、保険料を増減させるメリット制があります。事業主の負担の公平と、災害防止努力の促進を目的とした制度です(厚生労働省)
- 収支率(業務災害の保険給付と、確定保険料との比率)で判断します。療養補償給付・休業補償給付は、負傷または発病から3年以内に支給した分が算入されます
- 影響の大きさは、工事の規模、保険料の額(分母)で変わります。自社の収支率の実績は、会社の労務・安全衛生の担当部署で確認できます
なお、メリット制の適用を受ける事業主が、労災の支給決定そのものを裁判で争えるかについては、最高裁(令和6年7月4日)が、事業主には支給処分の取消しを求める原告適格がない、と判断しています。厚生労働省が公開する同判決の解説では、メリット制適用事業主は、自己に対する保険料認定処分の不服申立て・取消訴訟で、支給要件を満たさない労災保険給付が基礎とされたことによる保険料増額を主張できると整理されています。事業主が通常使う経路は、上の「意見申出」と、労働基準監督署への相談です。
元請の対応チェックリスト
災害が発生したとき
| チェック | 確認すること |
|---|---|
| ☐ 救護・報告 | 救護、発生状況の記録、社内の報告ルートへの連絡 |
| ☐ 労災の手続き | 労災を使う前提で、必要な手続きを進める(健康保険で処理しない) |
| ☐ 死傷病報告 | 被災した労働者の使用者(下請事業者)が行う報告の状況を確認。報告は事実のとおりに |
| ☐ 原因の記録 | 作業内容、現場の状況、再発防止の観点 |
着工前から誰が何を確認するかを整理する安全書類については、建設現場の安全書類とは?施工管理1年目が着工前に確認したいことも参照してください。被災後は、書類の有無だけで結論を出さず、救護・報告・事実確認を優先します。
休業が長引いているとき
| チェック | 確認すること |
|---|---|
| ☐ 連絡 | 下請事業者を通じた、休業の見込み・復職の意向の確認の記録 |
| ☐ 復職の相談 | 軽易な業務・短時間就労の可否の相談(本人の同意・医師の意見が前提) |
| ☐ 情報の扱い | 診療に関する情報を、本人の同意なく取得していないか |
「疑い」を感じたとき
| チェック | 確認すること |
|---|---|
| ☐ 事実と推測の区別 | 確認できた事実と、推測を分けて記録した |
| ☐ 意見申出 | 事業主の意見申出(書面)で、客観的な事実を提出するか検討した |
| ☐ 相談 | 労働基準監督署、社内の労務・安全衛生担当、専門家に相談した |
| ☐ 禁止事項 | 労災かくし、妨害、解雇等の圧力、私生活の調査をしていない |
相談・連絡の文面の例
下請事業者への連絡(事実の確認):
〇月〇日の災害の件で、現在の状況を教えてください。休業の見込み期間と、復職の意向、軽易な作業であれば就労できるかについて、本人と医師の意見をふまえて、確認できる範囲で教えていただけますか。
本人の診療内容など、個人情報にあたる事項は、本人の同意の範囲で結構です。
労働基準監督署への相談(事業主として):
〇月〇日に発生した当社現場の労働災害(下請事業者の労働者が被災)について、休業が〇か月続いています。確認できている事実は、〇〇です(発生状況、連絡の経緯など)。事業主として、意見申出をしたいのですが、手続きと、記載すべき内容を教えてください。
よくある質問
痛みがないはずなのに休んでいる。元請として、労災を止められますか?
止めることはできません。休業が必要か、治ゆしているかは、医師の所見をふまえて、労働基準監督署長が判断します。元請ができるのは、事実の記録、事業主の意見申出、労働基準監督署への相談です。
医師が完治・就労可能と判断しないと、休業や治ゆは認められないのですか?
「医師が判断しないと認められない」というより、最終的な認定は労働基準監督署長が行い、医師の所見は、その判断で極めて重要な材料になる、という関係です。
- 治ゆ(症状固定)の認定は、所轄の労働基準監督署長が行います。担当医師の臨床所見をふまえて決定するのが通例とされています(宮城労働局掲載の医師向け資料)
- 休業補償給付の請求書には、医師が作成する「診療担当者の証明」の欄があります。給付の可否は、労働基準監督署が判断します
- 医師の判断だけでは足りない場合に、行政庁は、指定する医師の診断を受けるべきことを命じることができます(労災保険法第47条の2)
そのため、「主治医が働けないと言えば、そのまま給付が続く」わけでも、「元請が治っていると考えれば、休業が止まる」わけでもありません。元請や会社が、治った・働けると決めることはできません。 主治医の意見と労働基準監督署の判断が食い違う場合の扱いは、個別の事情によるため、労働基準監督署に確認してください。
通院の頻度や診療内容を、教えてもらえますか?
病歴などは要配慮個人情報にあたり、法令に基づく場合などを除き、本人の同意なく取得することは認められません。就労の可否について確認したい場合は、本人の同意を得たうえで、本人や下請事業者を通じて行います。
本人が復職を拒んでいる場合はどうしますか?
休業補償給付は、療養のため労働できない日が対象です。復職の可否は、医師の判断と、労働基準監督署の判断が基本です。元請や会社が就労を強制することはできません。本人の同意と医師の意見のもとで、軽易な作業などを相談します。
不正受給が確認された場合は、どうなりますか?
労災保険法第12条の3により、保険給付に要した費用の全部または一部を、受給した者から徴収できます。労働基準監督署が刑事告訴した例も公表されています(長崎、秋田)。事業主が虚偽の報告・証明をしていた場合は、連帯して徴収金の納付を命じられることがあります。
下請の労働者の災害でも、元請の労災保険を使うのですか?
建設工事が数次の請負で行われる場合、労災保険の適用では、元請のみが事業主とされます(労働保険徴収法第8条)。具体的な手続き(請求書の事業主の証明など)は、労働基準監督署と、社内の労務担当に確認してください。
なお、労働者を使用しない一人親方が建設工事に従事する場合は、特別加入という別の制度があります。一人親方の労災保険特別加入とは?対象・保険料・加入方法を確認するで、対象と加入手順を確認してください。
まとめ
- 休業の要否と治ゆの判断は、医師の所見をふまえた、労働基準監督署長の判断。元請が決めることはできない
- 完治を隠して休業補償を受け続ければ不正受給。費用の徴収や刑事告訴の例がある。責任は第一に本人
- 元請ができるのは、事実の記録、下請事業者を通じた連絡、事業主の意見申出、労働基準監督署への相談
- 労災かくし、申請の妨害、解雇等の圧力、私生活の調査、虚偽の報告・証明はしてはいけない。元請が共謀して立件された例がある
- 保険料への影響(メリット制)は実際にあるが、対応は制度の範囲で行う
私は、元請として、「理不尽ではないか」と感じる場面があるのは自然だと思います。ただ、その気持ちを「使わせない」「隠す」という行動にしてしまうと、元請自身のリスクのほうが大きくなります。まず、事実を記録し、制度の窓口に伝える。その順番を、会社の中で、あらかじめ共有しておくことが大切だと考えています。
確認した一次情報(確認日:2026年10月22日)
- e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」(第12条の3、第14条、第47条の2、第47条の3) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000050
- e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法施行規則」(第23条の2 事業主の意見申出) https://laws.e-gov.go.jp/law/330M50002000022
- e-Gov法令検索「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」(第8条) https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第19条、第76条) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(第120条)、「労働安全衛生規則」(第97条) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第2条第3項、第20条第2項) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057
- 厚生労働省「労災保険に関するQ&A」(3-1 休業(補償)等給付はいつまでもらえるのですか/2-2 療養費はいつまでもらえるのですか) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154471.html 、 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154466.html
- 宮城労働局掲載「治ゆ・再発の取扱い」(労災診療を担当する医師向け資料、第12章) https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/content/contents/002136597.pdf
- 長崎労働局「労災保険の不正受給に関する刑事告訴について」(令和6年1月16日) https://jsite.mhlw.go.jp/nagasaki-roudoukyoku/content/contents/nagasaki-24011702.pdf
- 秋田労働基準監督署「労災保険給付の不正請求で告訴」(令和6年12月12日) https://jsite.mhlw.go.jp/akita-roudoukyoku/newpage_02279.html
- 神奈川労働局「『労災かくし』の司法処分状況の取りまとめ結果について」(2007年6月29日) https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/home/houdou/h19/190629.html
- 神奈川労働局「『労災かくし』は犯罪です」 https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/rousai_hoken/hourei_seido/roskakusi.html
- 厚生労働省「労災保険のメリット制について」(パンフレット) https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaimerit.pdf
- 厚生労働省「メリット制について」検討資料(最高裁令和6年7月4日の注記) https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001472045.pdf
- 厚生労働省「労災支給処分と保険料認定処分の関係」 https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/hanrei/rousai/hokenryouningei.html
免責
この記事は、厚生労働省・労働局の公開資料と法令を調べて整理した一般的な情報です。個別の事案が不正受給にあたるか、元請や会社の対応が適法かどうかの判断を示すものではありません。労災の給付の可否、治ゆの判断、不正受給の認定は、労働基準監督署などの行政庁が行います。具体的な事案は、会社の労務・安全衛生の担当部署、労働基準監督署、弁護士・社会保険労務士などの専門家に確認してください。制度・資料は更新されることがあります。