投資信託を自分で売れないタイプだと気づいた話|心理的な抵抗とどう向き合うか

私はこれまで、投資信託を一度も売却したことがありません。NISAの出口戦略について考えたとき、「将来、必要なときに自分で売れるだろうか」と問い直しました。答えは、たぶん簡単には売れない、でした。これは売却経験にもとづく話ではなく、あくまで自己分析です。
タクミ売るのが苦手かもしれないなら、投資信託は持たない方がいいですか?
KENTA持つ・売るを一律に決めるより、必要になる前に自分の判断の癖と手順を考えておきたい。
②損失回避・保有効果という研究上の概念
③自己分析を売買ルールの代わりにしない理由
④必要になる前に考えたい確認点
なぜ自分は売れないと感じるのか
自分なりに考えると、理由は二つあります。第一に、含み益がある資産を手放すことを惜しいと感じそうなこと。第二に、節約志向が強く、資産を減らす行為そのものに抵抗を感じそうなことです。頭では必要な支出のための売却もあり得ると分かっていても、いざ売る場面を想像すると判断が重く感じます。
ただし、これは私の予想であって、実際の売却時にどう行動するかは分かりません。「売れないタイプ」という自己評価を、性格の診断や投資判断の根拠にするつもりはありません。
行動経済学の言葉は、答えではなく考える補助線になる
KahnemanとTverskyは1979年の論文で、不確実な状況での選択を説明する枠組みとしてプロスペクト理論を提示しました。損失回避や保有効果は、利益・損失の受け止め方や、すでに持つものを手放しにくく感じる傾向を考える際によく参照される概念です。
Kahneman、Knetsch、Thalerによる実験研究も、保有している物について、手放すために求める額と取得のために支払う額に差が出る「保有効果」を扱っています。ただし、こうした研究は私個人の行動を予測したり、どの投資信託を売るべきかを示したりするものではありません。
高配当株を始めた理由と、売却への抵抗は別に確認する
日本の高配当株を始めたことには、給与以外に自由に使うお金を考えたという理由があります。一方で、投資信託を売る判断を避けたい気持ちが、無意識に影響した可能性もあります。この二つを同じ理由に決めつけず、今後も自分の考え方を見直すつもりです。
配当金も、減配や株価下落、税金と無関係ではありません。配当を受け取る仕組みを持つことが、私にとって売却の問題を解決するとは限りません。
必要になる前に考えておきたいこと
□ 売却額・頻度を決める前に、生活防衛資金と必要支出を確認する
□ 売却・配当・現金を同じ「使えるお金」として単純比較しない
□ NISAの制度、税金、商品ごとの手数料を最新情報で確認する
□ 迷う場合は、特定の商品を勧めない相談先も含めて検討する
定額・定率で取り崩す方法を選ぶ場合でも、商品・口座・税金・必要な金額で扱いは変わります。私自身も結論を出していません。まず、自分がどんな場面で判断を先送りしそうかを知り、必要な時期より前に確認することから始めます。
まとめ
私はまだ投資信託を売却した経験がありませんが、売却に心理的な抵抗を感じそうだと自己分析しています。プロスペクト理論や保有効果は、その感覚を考える材料にはなりますが、売買の答えではありません。必要な資金の時期、家計、制度、税金を確認しながら、自分にとって実行できる手順を事前に考えます。
確認した研究・情報
Kahneman & Tversky (1979) “Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk”
Knetsch & Thaler (1990) “Experimental Tests of the Endowment Effect and the Coase Theorem”
本文の自己分析は著者個人の記録です。研究の紹介は個人の投資判断や将来の行動を保証するものではありません。売却・保有の判断は、目的、家計、税金、商品条件を確認して行ってください。