就業不能保険は必要?公的保障と収入不足を確認する手順

「保険、結局どこまで入ればいいんだろう」——見直しを始めると、必ずこの壁にぶつかりませんか。減らしすぎて後悔しないか不安になり、かといって全部に備えると保険料が生活を圧迫する。私もずっとここで迷っていました。
我が家は保険を見直し、複数の契約を整理しました。ただし、生涯払込額や削減額は保険料、為替、解約時期、更新、特約で変わります。旧記事の約2,000万円から約1,000万円という試算は、将来の確定額として扱いません。
この記事では「保険を残す・入らない」という結論を勧めるのではなく、働けなくなったときの収入不足を、公的保障、勤務先制度、資産、支出から確認する手順を整理します。
②就業不能時に減る収入と残る支出
③傷病手当金・労災・障害年金
④民間保険で補う期間と金額
⑤筆者の試算の限界
現在の契約は保障条件まで確認する
保険料や受取額だけでなく、保険期間、支払事由、免責、待機期間、更新、解約返戻金、通貨を一覧にします。次の表は筆者が記録した当時の契約例です。
| 対象 | 契約の種類 | 当時の記録 |
|---|---|---|
| 夫 | 収入保障保険 | 月12万円・2051年まで |
| 夫 | 収入保障保険 | 月10万円・2059年まで |
| 夫 | 変額保険・災害特約 | 一時金300万円等 |
| 妻 | 収入保障保険 | 月10万円・2058年まで |
| 妻 | 外貨建て保険 | 月200米ドル・2058年まで |
死亡時の給付は、死亡原因、免責、契約の有効性等で決まります。遺族年金も受給要件があり、外貨建て給付は円換算額が変動します。表の金額をそのまま家計収入として固定しません。
考え方は、必要な保険の考え方ことです。勤務先保障、配偶者収入、資産も確認し、不足する期間と金額を民間保険で補うか検討します。契約の種類だけで貯蓄型を全てやめる、掛け捨てだけを残すとは決めません。
家計シミュレーションは前提を開示して読む
就業不能時の不足額は、開始年齢、回復時期、収入、障害状態、給付、住宅、教育、物価、運用、税を変えると大きく変わります。一つの結果を将来の確定額にはできません。
| 想定 | 旧試算の表示 | 確認が必要な前提 |
|---|---|---|
| 夫死亡 | 不足1,231万円 | 遺族年金、団信、保険、生活費 |
| 夫就業不能 | 不足1億711万円 | 障害状態、回復、各給付、計画変更 |
| 妻死亡 | 不足0円 | 育児・家事代替、収入、保険、教育 |
金額の大きさだけで加入・解約を決めず、どの前提が結果へ影響したかを分けます。
就業不能時の不足額を計算する
死亡時と就業不能時では、受けられる制度と残る支出が異なります。ただし旧試算の1億711万円は筆者の仮定による結果で、就業不能保険の必要額や一般的な損失額ではありません。
死亡保険、団信、就業不能保障、障害年金はそれぞれ支払・受給要件が異なります。「障害年金2級なら何も動かない」と一律に扱わず、初診日、納付、障害状態、保険約款を確認します。
就業不能保険の必要性を決める3つの確認
加入しないと先に決めず、公的・勤務先保障で補える期間と、補えない不足額を確認します。次の3点を順番に整理します。
理由①:全部に備えることはできないから
すべてのリスクを保険で覆う必要はありませんが、家計で負担できない損失を放置することも同じく危険です。保険料、発生時の損失、資産、他の対応手段を比較します。
確認②:公的・勤務先保障の支給条件
会社員でも、原因、加入制度、給与支給、障害状態によって受けられる給付は異なります。公的保障があることだけで収入がゼロにならないとは断定できません。
| 制度 | 主な対象・期間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 業務外の傷病・支給開始から通算1年6か月 | 待期、給与、加入等の要件 |
| 労災保険 | 業務・通勤に起因する傷病 | 原因認定、休業・障害等の要件 |
| 障害年金 | 所定の初診日・納付・障害状態 | 働けないだけで自動受給ではない |
| 勤務先制度 | 休職、給与、見舞金等 | 会社規程と在籍条件を確認 |
自営業者には原則として健康保険の傷病手当金がありませんが、任意加入制度や職域・民間保障は個別に異なります。会社員でも給付終了後や対象外の病気・状態があるため、勤務先独自の保障も確認し、立場だけで不要とは判断しません。
確認③:生活を変えた場合も試算する
住居、教育、生活費を維持するケースだけでなく、支出を調整するケース、回復までの期間が異なるケース、公的給付を受けられないケースを並べます。
計画変更で不足額が減ることはありますが、子どもの生活、治療、介護、住居など下げにくい支出もあります。最悪値だけでも楽観値だけでもなく、複数条件で確認します。
相談先を選ぶとき
資格、相談料、販売手数料、取扱商品、利益相反を確認します。本記事では条件を確認できない無料相談広告を掲載しません。
見直しで失敗したこと・見落としていたこと
順調に減らせた話ばかり書くとフェアではないので、うまくいかなかった部分も書いておきます。
②「減らすこと」ばかり考えて配分を見ていなかった:総額を半分にできて満足していましたが、実は大黒柱側が薄いまま。金額を下げることと、必要な場所に置くことは別問題でした。
③就業不能という穴に気づくのが遅れた:死亡保障ばかり考えていて、働けなくなる場合を計算していませんでした。シミュレーションを作って初めて見えました。
特に②は、今回シミュレーションを作らなければ一生気づかなかったと思います。保険料を下げること自体は正しかったのですが、それだけでは不十分でした。
加入率は必要性の答えではない
生命保険文化センターの全国実態調査は、加入状況を把握する資料です。調査年、対象世帯、質問定義を確認します。
旧記事は生活障害・就業不能保障の世帯加入率17.2%を引用し、「8割以上が不要と判断」と読める表現にしていました。しかし、未加入理由や各世帯の不足額を示す数字ではありません。
加入率が低いことは、筆者の未加入判断が正しい証拠になりません。公的保障、職業、貯蓄、家族の支出から個別に計算します。
配偶者の保障も家事・育児を含めて計算する
旧試算では妻死亡時の必要追加保障額を0円としましたが、配偶者収入だけでなく、育児・家事の代替費用、働き方の変更、教育、既存保険を入れた再計算が必要です。0円を確定額とは扱いません。
夫婦どちらの保障を厚くするかは、年収の大小だけでなく、家事・育児、休職、将来収入、資産、保険期間で決めます。「保障の逆配分」という名称だけで結論づけません。
保険証券、約款、勤務先規程、公的制度の資料をそろえます。新しい保障が成立する前に既契約を解約しないなど、保障の空白を避けてください。
まとめ:不足する期間と金額を複数条件で確認する
就業不能時の保障は、次の3点を確認して決めます。
②収入、支出、回復期間を変えた複数シナリオを作る。
③公的保障と資産で埋まらない期間・金額を、民間保険で補うか検討する。
まず「働けない状態」を具体化し、いつから、いくらの収入が減り、どの給付を何か月受けられるかを確認します。試算の一つの大きな数字や加入率だけで決めないでください。
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本記事は筆者の試算を一般化せず、個別商品の加入・解約を推奨するものではありません。